センチメモリー/センチメモ

いつの間に私たちはこんなに遠くへ
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僕は大人になっていくよ 醜い大人に

 ライチ☆光クラブ を読んでへこむ。
 少年たちの秘密結社・機械・昭和・耽美・薔薇などなど好きなモチーフ満載なんですが……
 残酷さ、幼さ、愚かさ、大人は醜く自分たちがいちばん美しいと信じている若さ故の傲慢さ、などなど少年という生き物の特徴もすごく伝わってくるし、彼らの王国が崩壊していく様子は物語としては面白いんですよ。
 ただ画面がどぎつくて、私はそこでもうダメでした。
 あー男の人が描くとこうなんだよね、こういう描写になっちゃうんだよね、絶対オブラートにくるんでくれないよね、こっちがメルヘンに描いてほしいところはリアルで、シビアに描いて欲しいところはメルヘンなんだよね、だから男性漫画家(特に青年向け)の作品は気になるモノほど迂闊に手が出せないんだけど迂闊だった……とか怨怨と思ってしまった……。
 あと話が進むに連れて、ドロップアウト気味の男子のモテたいという欲望が暴走してる部分ばっかりに目がいってしまった……あの凝った舞台装置で、あんなにわかりやすく即物的に発情するところをストレートに描かれると結構萎えるんですよ、私……。

 グランギニョルの舞台は、あそこまでえげつなくはなかったのではないかと勝手に夢想(舞台でそんな、臓物を引きずり出したりとかは物理的に無理なので)。
 ジャイボはきもちわるくて好きでした。ニコもかわいいよね。
 あと機械の動力源がライチ、っていう設定はすごくいいと思いました。ライチっていいよね。眼球みたいなかたちしてるし、エロチックだけどマンゴーとかパパイヤほど熟した(笑)淫靡さでもなく、響きがかわいくて。おいしいし。

 それにしてもアングラに惹かれるのにエログロが苦手というのは本当に困る。
 ほっこり・癒し・日々の何気ないしあわせ・おいしいごはん、にもそんなに馴染めないし、かまととぶってると思われるのも屈辱的なので、大丈夫大丈夫エログロ苦手じゃない、と自己暗示をかけてきたんですが、去年の横浜トリエンナーレで激しく性的・暴力的な映像作品を見た不快感を延々引きずって以来、ああ私はこういうのホントに好きじゃないんだ、情緒不安定になるほどダメージを受けてしまうんだ、うかうか見てしまわないように積極的に気をつけよう、注意書きをちゃんと読もう、と思うようになったんですよね……(こういうことをだらだら書いてしまうあたりまだ引きずっているのかも)。

『ばら色の頬のころ』と続けて読んだので、

 ばら色:うおお〜やっぱり少年モノはこれだよね! 黄金展開だよねこれ!
 ライチ:ああ……まあ……やっぱりそうですよね……そうなりますよね……私が望みすぎたあげく勝手に萎えて本当にすみません……

 ……という感じになり、何より自分のこういう反応にへこみました。
 そして私が気持ちよく読んでる女性作家の少年モノも、男性が読んだら「あーどうして女の作品ってこうなんだろう」とか思うんだろうか、『ばら色』もやっぱり女にだけ都合のいいメルヘンなんだろうか、とかを常にセットで考えてしまうんですよね。へこむ……

 ここ2,3日精神状態が荒れているのにこれを読んだのがそもそもの失敗だった気がします(少年モノだったからつい読んでしまったのか?)
 すさんでいると自覚のあるときは『聖☆おにいさん』あたりを読んで穏やかさを取り戻すことを心がけよう……

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)
古屋 兎丸,東京グランギニョル「ライチ光クラブ」
本・活字 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | 麻子
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