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ロミオとジュリエット

『ロミオとジュリエット』
オックスフォード大学演劇協会 OUDS来日公演
彩の国さいたま芸術劇場小ホール

 舞台は近未来の荒廃したヴェローナという設定で、装置はバスケットコートのような図形が描かれたブルーの地面に、鉄製のように見える直方体のみ。幕もなく、場面転換は効果音と照明。
 登場人物はスニーカー(バスケットシューズ?)を履き、衣装はスーツ姿の大公や、キャピュレット夫人・ジュリエットなどドレスを纏った一部の女性を除いて、ストリート系のラフな普段着でした。
 舞台装置や衣装が最高に映えてるなと思ったのは仮面舞踏会の場面で、仮面のかわりにバイク用のフェイスマスクを着け、クラブ・ミュージックで踊っていたのがすごくかっこよかった。音楽も良かったです。

 ロミオとジュリエットが女性同士で、かつはっきりと同性愛者だという設定に惹かれてチケットを取ったのですが、その部分のハードルはあまり感じませんでした。
 ロミオは女性で、男装ではないとはいえジュリエットよりはボーイッシュな衣装で、声もハスキー。キスシーンは濃厚に見えましたが、女性どうしの性愛の場面、ということばから期待される感じ、美少女どうしがうつくしくエロティックに絡む耽美な風景、みたいなものではまったくなかった。
 近くの席の女性客が「宝塚の男役のように男装するか、あるいはオールメールにしてくれたらよかったのに」というようなことをぼやいていたのが聞こえてしまったんですが、あらゆる意味でロミオとジュリエットのロマンスをきもちよく消費できるつくりではまったくなかったです。
 ふたりの恋愛については常に冷ややかに、滑稽にさえ演出されていたと思う。「ロミオとジュリエット」ってほとんど観たことがなくてほかの演出と比べられないのですが、有名なバルコニーの場面なんてほとんどギャグみたいだった。そもそもロミオが物語の冒頭ではロザラインていうぜんぜん別のキャラクターへの恋で死にそうになってるのに、ジュリエットに出会ってあっさり一目惚れするあたり相当に軽率だよね……

 印象に残ったせりふもよく引かれるロマンティックな殺し文句ではなく、
「さあ、金だ、人の心にとっては何よりの猛毒」
「毒を売るのは私だ、お前ではない」
「そして私も、お前達の不和に目をつぶった罰として身内を二人までも失った」
 ……という感じでした(日本語字幕つきの英語上演でしたが、字幕の完全な再現ではありません)
 そういえば英語だから多少は聞き取れるかと思ったけど、早いしいわゆる文語っぽい英語だしでもうぜんぜん歯が立たなかったな……
 こういうお芝居を日本語でも観たいです。『犀』のフランス語上演のチラシも入っていて、おお、と思ったけれど、ほんと日本の劇団が日本語でやってくれてもいいんだぜ……
舞台・展覧会・イベントなど | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | 麻子
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