センチメモリー/センチメモ

いつの間に私たちはこんなに遠くへ
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勝つことはできなくても

 たまたまTVで見た予告編の映像に惹かれて「ドクター・ストレンジ」を観てきました。アベンジャーズまわりの、というかマーベル・シネマティック・ユニバースに連なる作品だけれど、独立した話なので予備知識なしでも大丈夫だと聞いて。あとはベネディクト・カンバーバッチ主演というくらいしか前情報はなかったのですが、すっっっごく面白かった!!

 

 とにかく映像がきれいで、スクリーンを眺めているだけで楽しかったです。魔術によって歪められる世界がシュールレアリズムの絵画みたいで、万華鏡のように自在に変形するニューヨークの高層ビル群やロンドンの街並みはエッシャーの迷路のようでした。砂漠の中空にぽっかり浮かんだ窓みたいに異次元へのゲートがひらかれていた場面も印象的だった。
 私は2Dで観ましたが、3Dで観ても楽しめるんじゃないかと思います。4Dでも観てみたい。

 

 ティルダ・スゥイントンが演じるエンシェント・ワンがめちゃくちゃカッコよかった。あのキャラクターはズルいよな〜!
「バットマン ビギンズ」といい、なぜ修行というとすぐチベットへ行きたがるのか……ハリウッドはチベット密教的なものに夢を見過ぎなのでは? そしてチベットなのにマスターはアジア人じゃないんだ? と野暮なことも脳裡をかすめたのですが、エンシェント・ワンはケルト人だと作中で説明されてなんとなく納得してしまった……。あとカトマンズの雰囲気が魅力的すぎた。
 天才外科医のドクター・ストレンジは事故に遭って手を動かせなくなり、西洋医学に見放された末に魔術に目覚めるのですが、それでも戦闘で負傷すると西洋医学の救急医療に駆け込むところがおもしろかった。

 

 自己中心的で傲慢なドクター・ストレンジの、命を救うために医者になったのだから人殺しはしたくない、というキャラクターに個人的にはとにかくホッとしました。否定されてもそのありようを貫いてくれてほんとうによかった。

 

 以下、あまり具体的ではないですがストーリーの核心部分にも言及します。

 ドルマムゥと「取引」をする場面での「勝つことはできなくても、負け続けることはできる」という台詞には強く感動しました。ほんとうにそうだ、とてもとてもつらいけれど、それこそが抵抗するということなんだよなあ、と。

 

 エンシェント・ワンやストレンジの「柔軟」なあり方と、自らの揺るぎない信念をどこまでも貫こうとするモルドの対立にも考えさせられました。善悪二元論でスパッと切らないというか、ヒーローとして描かれる立場の権力や正義についても懐疑的な感覚は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にも感じたので、ここへきて今までとは違う部分でアベンジャーズ関連作品を追いかけようかな……と思い始めたりしました。
 というか最後の最後まで見たらどうしたって「マイティ・ソー」を観たくなるだろ……

映画 | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) | 麻子
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